「自分では伝えているつもりなのに、相手がまったく動かない」
そんな経験、あなたにもありませんか?
実は最近、僕自身がまさにそれを体験していました。マーケティング施策に関する重要な改善ポイントを、何度も何度も上司に伝えていたのに、反応は薄く、全く動いてくれない。
でもある日、急に状況が一変したんです。
その瞬間に、はっきりとわかったことがあります。
■ 論理では人は動かない。「体感」があると動く
僕が主張していたのは、「売上が伸びない原因はアクセス数ではなく、顧客対応にある」という点でした。
実際、お客様のレビューや問い合わせ内容から明らかに見えていたんです。商品そのものではなく、対応の質に不満を感じていることが。
でも上司はずっと「広告にもっと力を入れるべきだ」と言っていた。
つまり、“マーケティング=集客”という視点に偏っていたんですね。
結果的に、顧客対応を改善する施策が後回しになっていました。
ところが、あるタイミングで売上が大幅に伸びました。
きっかけは、顧客対応の改善が現場レベルで少しずつ実施されていたからです。数字に反映されたことで、ようやく上司の態度が180度変わりました。
ここで僕は、身をもって知りました。
人は「論理的に正しいから」では動かない。
自分の体感として「これは効いている」と思えたときに初めて動く。
■ 伝え方にも“階層”がある
この出来事をきっかけに、僕は「伝え方のコツ」について深く考えるようになりました。
それまでの僕は、論理的に説明すれば相手は理解してくれると思っていたんです。
でも、実際はそうじゃない。相手がどの階層で理解しているかによって、届き方はまるで変わるんです。
- 知識の階層(論理・データ)
- 経験の階層(共感・納得)
- 無意識の階層(感覚・体感)
僕が話していたのは「経験」や「構造」のレイヤー。
でも上司は「知識」や「直感的イメージ」のレイヤーにいた。だから、そもそも見ている景色が違っていたんですね。
わかってもらうこと=同じ階層で話すこと。
そして、階層を“下げる”ことは、内容を浅くすることではない。
むしろ、“深い内容を、日常の言葉に翻訳する技術”こそが、本当の伝え方のコツなんです。
■ わかりやすさを最優先する、という決意
ごく最近、意識していることがあります。
それは、まず「わかりやすさ」を最優先するということ。
どんなに良い話でも、深く本質的な内容でも、相手に伝わらなければ意味がない。
昔の僕は、「伝えたいこと」を大事にしていました。
でも今は、「届く形」に変えることを大切にしています。
これは、自分の言葉を殺すことではなく、
自分の想いが相手の中で“生きる形”に変えるということ。
だから最近はこんな順番で伝えるようにしています👇
■ 心に届く“伝え方の4ステップ”
- 共感のフック
「それ、わかる」と思ってもらう。例:「こんな経験ないですか?」 - 問いかけで参加させる
読み手自身に考えてもらう。「もし、あなたがこの立場だったら?」 - ストーリー化・たとえ話で視覚化
構造をそのまま話すのではなく、身近な例や日常的な場面で語る。 - 本質の気づきは“あとから、じんわり”届ける
最後に、核心をそっと差し出す。押しつけないけれど、心に残る形で。
■ 伝えることは、橋を架けること
最近、自分の話を「深くわかる」と言ってくれる人が現れました。
嬉しかった。でも、それと同時にこうも思いました。
「わかってくれる人は、やっぱり少ないんだ」と。
だからこそ僕は、橋を架けていきたい。
“難しい話を、誰もが手に取れる言葉に変える”
“まだ気づいていない人にも、届くように語る”
それができる人が、「伝える人」なんだと思います。
■ まとめ:伝え方のコツは、翻訳力と共鳴力
伝えるとは、自己表現ではなく“翻訳”です。
そして、理解させるのではなく“共鳴させる”こと。
伝えたいことがあるなら、
まずは相手の階層に立って、届く言葉で話してみてください。
そこからすべてが変わりはじめます。


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